「ゴローさんはやがて青山のセントラルアパートに工房を構え、そこで生活を始めるようになる。
当時をよく知る人に聞くと、とにかくゴローさんは何でも自分で作ってしまう人だったそうだ。
ベルトやカバンはもちろんのこと、たとえば鹿革のジャケットやパンツ、椅子やテーブルなどの家具、自動車のシート、革張りのソファなどなど。
中田商店のポスター撮影に協力したことがきっかけで、年配の方ならご存知だと思うが、当時の人気俳優だった芸能人への衣装提供をしたこともあったらしい。
ウエスタンスタイルを本場と同じように正確に再現できる人間など、当時の日本ではゴローさん以外にはいなかった。」
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